イラストレーター、キモトケンジのブログです。仕事の事、趣味の事、日常の事、アスペルガー症候群の事。


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敬意無き影像化。

※ネタバレがありますのでご注意ください。

石森章太郎原作の「009ノ1」実写化映画
009ノ1 THE END OF THE BEGINNING」
同「サイボーグ009」リメイク版アニメ映画
009 RE:CYBORG」
009を先に観て「何も言うまい」と思っていたけど
今日「009ノ1」を観て…あぁもう我慢出来ない(汗)。
以下あくまでも私見と断った上で。

酷すぎる。2作とも褒めるところはひとつも無い。

「009 RE:CYBORG」
一体誰に向けて作られた作品なのか。
旧来のファンに向けたなら先ずキャラクターデザインから
大間違いだろう。002などまるで化け物だ。
ストーリー的にも矛盾だらけで何故009だけが記憶を
3年ごとにリセットされ市井にまぎれて生活しているのか。
理由として来るべき有事の際のリーダーとなるためと
語られ記憶が3年毎にリセットされるのは形態が変化
(成長)しないパーフェクトサイボーグだからとの設定
(劇中でははっきり語られず)だそうだが、ならば尚更
ギルモア財団(劇中の設定)の施設なり明確な管理下に
置かれるのが自然ではないのか。
003との明らかなラブシーンも描かれるが過去に原作の
「神々の戦い」編において作者の手により同様のシーンが
描かれ、これがファンの不評を買い同編中断の一因とも
なっている。009と003の恋仲は周知の事実だとしても
ファンはそんな具体的描写(しかも003から求めるような)
望んではいないのだ。ファン心理を無視あるいは完全に
読み違えた演出としか言いようが無い。またストーリーの
骨子として「天使」「神」が扱われているがこの二者は
いわば009にとって作品を未完に追い込んだ最大の禁忌
であり容易に扱えるテーマではない。
当然のごとく納得の行く展開となるはずも無くむしろ
ストーリーを破綻させる直接の原因になっている。
「彼の声」が人間個々人の脳内に存在するかもしれない
「神」なのだとしたら何故002や008が目撃した少女は
一様に同じ姿をしているのか。少女は「神」なのか
「天使」なのか。「彼の声」と語られている以上「神」
ではあり得なかろう。しかし発見される「天使」の化石
とも似つかない。全く謎の存在だ。
そもそも「天使」の化石とは何なのか。
ラストシーンを観れば恐らく宇宙から来た知的生命体であり
人間個々人の脳内に存在するかもしれない「神」は彼ら
「天使」によってあらかじめ与えられたリセットのための
「因子」と考えるのが妥当なのかもしれない。そう考えれば
タイトルの「Re」とも繋がってくる。
ただしこれは全て映画を観た人間の(まさしく)脳内補完
ありきの話だ。作品中にそこまで明確な展開も説明も無く
そう考えたところでクライマックスの展開は不可解だし
そもそも「彼の声」が何故聞こえ手段が爆弾テロに限定
されるのかも定かでない。
002の死と再生(明言はされていないがそのように印象づけ
られている)も80年の劇場作品「サイボーグ009 超銀河伝説」
において004の死と再生を描きやはりファンの不評を買った
轍を踏んでしまっている。こんな作品、旧来のファンが喜ぶ
事も認めるはずも無い事は企画なりシナリオ段階で容易に
想像がつく。では新規ファン獲得を目的に作られたのか。
だとすればあまりにも説明不足だしファンなら知っていて
当然的な暗黙の了解も存在する。さらに単純にCG映画として
観てもキャラクターの動きなどギクシャクしていてかなり
クオリティは低い。
原作への敬意も感じられず作り手の自己満足しか感じられない
最低の映画と言わざるを得ない。

009ノ1 THE END OF THE BEGINNING」
ミスキャストによる学芸会レベルの演技に先ずうんざり
させられる。こういう事を書くと「じゃああなたに出来るん
ですか」と下らない反論を受ける事があるが彼らはそれが仕事
であり相応の対価を得ている。さらに言うならこちらはそれを
きちんと料金を払って観ているのだから納得いかない物に対して
「木戸銭返せ!」と苦情を言うだけの権利は有しているのである。
主演の岩佐真悠子はどうみても009ノ1=ミレーヌのイメージ
ではない。グラビア出身でトータルのスタイルは良いのだろうが
明らかにタッパが足りず上げ底のブーツを履いても周囲を男性に
囲まれると小さすぎて(華奢なのではない。単純に小さいのだ)
まるで迫力が感じられない。競演している女性陣と比較しても一番
小柄のように見える。特にアクションが上手い訳でもなくほぼ
全編吹き替えなのが(原作と異なる長髪にしたのも顔が隠れやすい
からかと)バレバなのもどうなのか。そう言う意味では敵役の
長澤奈央の方がアクションも経験があり容姿も明らかにミレーヌの
イメージに近いのにネームバリュー優先か事務所の力関係で
キャスティングされた感が否めない。
ストーリーは完全に破綻している。劇中で何度も「モンスター」
というセリフがキーワードとして出てくるがここでも演技力の
未熟さが災いしてセリフをどうしようもなくチープで浮いた物に
している。そもそもオール日本人キャストでやるならわざわざ
「モンスター」などとせず素直に「怪物」としたほうが演じる側も
感情を込めやすかっただろうに何のために日本(劇中ではJ国)
を舞台にしたのか。肝心の弟ポールのキャラクターも設定が
めちゃくちゃで原作の重要な要素をその意味を理解せずにただ
つまみ食いしているだけとしか思えない。
そして不必要なまでの暴力描写。テレビ番組では出来ない事=過激な
暴力描写というのではあまりにも短絡的に過ぎる。日常のストレス
解消でもあるまいしここでもまた作り手の自己満足に観る側は
置いてけぼりにされるばかりだ。
原作「009ノ1」は読み切り連作としてエスプリとバッドジョーク
そしてバッドエンドでまとめられた名作だ。それをくだらない
バイオレンス映画と堕した罪は深い。

映画は作り手の物だ、という意見もある。
自己満足で何が悪いと。
ならばせめて100%オリジナルの設定と物語で制作していただきたい。
それなら興味無きものは観なければ済むだけの話だから。

誰に向けて作るのか。
何のために映像化するのか。

原作に対する敬意を持たずそこをはき違えたままで影像化しても
その作品は確実に失敗する。



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ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : サイボーグ 009 009ノ1 石森章太郎 イラスト 漫画 アニメ 特撮 レトロ 冒険活劇

昔、私はガッチャマンだった。

…いや、別に頭がおかしくなった訳ではない。
20代の頃にちょっとだけアクションショーのバイトを
やった事があるのだがそのうちのひとつがガッチャマン
だったと言う話。
実写版ガッチャマン」が大コケしているというニュースを
読んでふと昔の事を思い出した。
ま、ガッチャマンとは言うもののヘルメットがかなりいい
加減で(胸のGマークはあったと思う)見た目はただの
マントを羽織った白タイツマン(汗)。競演はもちろん
G2〜5号…ではなくウルトラマン80(爆汗)!練習無しの
ぶっつけ本番にウルトラマン80(もう一人何か居たけど
忘れた)と違ってしゃべれるからとMCとトークまで
やらさる羽目に…。

今でも覚えてる。

ガッチャマンはちゃんと朝ご飯食べてきましたか?」
「お腹いっぱい食べてきました!!」

…微妙な空気の会場(滝汗)。ヒーローショー
フリートークは禁物だ。

自分も子供の頃楽しませてもらったヒーローショー
少しでもかっこ良く見えるようにと必死で演じた
懐かしい思い出の一コマ。


アニメキャラクターの実写化はヒーローショーだけに
しときましょう。



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tag : ガッチャマン 実写版 ヒーローショー

009ノ1の実写映画だって(汗)。

激しく期待薄…。

石森章太郎の生誕75周年記念という
位置づけも何か半端だし。

手塚治虫はもとより藤子不二雄、赤塚不二夫ら
トキワ荘メンバーの有名漫画家と比較しても
実力と人気で劣るところの無いはずの石森マンガの数々。
だけどいま世間一般には変身漫画、それも仮面ライダーの
原作者(厳密には違う)のイメージしか無いんじゃなかろうか。

私の年代なら009=石森章太郎は当たり前の連想だが
今やそれも怪しかろう。
他の作品や短編ともなれば言わずもがなだ。
日本一の作品執筆数を誇る漫画家であるにもかかわらず、である。


石森プロの皆さん、お願いだから原典作品をもっと大切に
扱ってください。そしてファンの想いを正しく汲んでください。
限定販売で60万円以上もする全集、誰が買うんでしょうか。

このままじゃ名前は残っても作品やその中に描かれた
精神や世界観は遠からず失われてしまうに違いない。

名前だけの平成仮面ライダーシリーズのように。


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tag : イラスト 漫画 アニメ 特撮 レトロ 冒険活劇 ジュブナイル SF 空想科学 アクション

実写ヤッターマンの悪夢再び。

今度はガッチャマン実写化…(溜息)。


この前OVA版のリメイク「GATCHAMAN」見たばかりだけど
あれもひどかった(汗)。
テレビシリーズの続編もそうだったがどこまでオリジナルを
貶めれば気が済むんだろうか。

お願いだからそっとしておいて…。

まぁ剛力彩芽はタツノコ顔ではあるけれど。
でも白鳥のジュンというよりは南波テルの方が似合うんじゃないの?
あぁでもそうするとポリマーまで実写化するハメになる(汗)。

…そう言えばキャシャーンの実写もあったっけ。記憶の彼方に
葬り去ってたけど(汗)。

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借りぐらしのアリエッティ

録画で観る。

この映画は何を描きたかったのだろう。

アリエッティの成長?

翔の成長?

アリエッティの冒険?

小人と人間の心温まるふれあい?

アリエッティと翔の淡い恋心?

滅び行く小人達の悲哀?

いずれもしっくりこない。
正直、どこもかしこも中途半端でエンドタイトルが出る寸前に
「ちょっと待て」とアリエッティ達の乗ったヤカンのツルを
引っ掴んで引き戻したい気分である。
世界観もキャラクター描写も浅すぎて登場人物達の心理が
まるで伝わってこない。

特に「翔」。
まるで人形のようだ。難しい手術を控えた12歳の少年である。
もう少し心の葛藤があって良いのではないか。すでに人生に
絶望し達観しているという事かもしれないが、翔が人間らしくも
子供らしくもない事によって結果対比としてのアリエッティの
キャラクターまでが輝きを失う事になる。
そもそも翔とアリエッティの関係性はあまりにも希薄だ。
翔が一方的に好意を持っているだけで小人達にとっては
ただ迷惑な存在でしかない。彼の「守りたい」というセリフは
あまりにも唐突だし上から目線でしかない。母を助けるために
手を貸してくれた事に感謝はしても住み慣れた家を出て行かなければ
ならない事に変わりはない。翔の姿を見て取り乱す母にアリエッティは
彼が味方であるとは最後まで言わなかった。
言えるはずがない。
結局どこまで行っても人間と小人達の心はすれ違ったままだ。
だから翔とアリエッティの別れのシーンにも観ていて気持ちが入らない。

ほかの登場人物にしても父はただ寡黙だし母はオロロするばかり。
アリエッティに対して人生を示唆するような事は何ひとつ言わない。
ただそこにいるだけだ。悪く言えば親子ですらないように見える。
スピラーに至っては「必要か?」と思うくらい劇中で浮いた存在だ。

「借り」の設定もなんだか釈然としない。
小人達は人間から一方的に「借り」るだけで「返す」事は
しないからだ。それは「借り」とは言えない。
これではまるで小人達は人間の寄生虫か何かのようである。

原作がどうなのか知らないが例えば人間の持ち物を「借り」て
いるお返しにその家の守り神になるとか、座敷童のように
富み栄えさせるとかいう設定があっても良かったのではないか。
現実にそういう超常的な力がなくとも良い。人間の側がそう
信じている事によって時々家の中のちょっとした物が無くなる事を
小人の仕業として好意的に容認している、と設定するだけでも
作品世界はもっと厚みを増すだろう。

あるいはアリエッティを助けようとして心臓の病で倒れた翔を
小人達だけが知っているような薬草を使うなどして助ける事で
「借り」を返すような演出があっても良かったかもしれない。

そしてここが問題だがこの映画の最大の欠点は「翔」の視点で
始まった物語が「アリエッティ」の視点で終わっている事だ。
これはいただけない。作品として一本筋が通っておらず物語が
途中で分裂している事の証左に他ならない。観客にしてみれば
いきなり知らない場所に放り出されて置き去りにされたも同然である。
カルト映画じゃあるまいしファミリー向けの映画である本作において
作劇の基本中の基本が疎かになっている事は看過出来るものではない。

これは監督の未熟さゆえ?いや脚本にも問題はあるだろうし制作の
段階で誰も指摘しなかったのだとしたらそれも問題だ。
他にも人と小人と物との大きさがちぐはぐだったりその場しのぎの
都合の良い設定が多く全体的な詰めの甘さが目立った。
ジブリの、いや日本のアニメーション映画の先行きに不安を感じさせる
作品だった。

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キモトケンジ

キモトケンジ

イラストレーター
キモトケンジ。
60~70年代の漫画映画や少年
漫画、特撮等がモチーフの
ジュブナイル・イラストレー
ションを主に描いています。
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「ゼロゼロ大作戦」まで。
08年7月、アスペルガー症候群と診断されました。

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